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Bio

Daisuke Kinoshita Portrait

自然や祈りをテーマに、プラチナパラジウムプリント(プラチナプリント)を用いた作品を制作している。

幼少期、画家であった父の繊細な筆致に魅了されつつも、自らの表現を模索。祖母から授けられたカメラとの出会いが、写真という表現への道を開いた。グラフィックデザイナーとしてのキャリアを経て、国内の世界遺産や東日本大震災後の風景に刻まれた記憶を記録する中で、写真の持つ記録性と物語性を探求してきた。

コロナ禍に家族と水辺で過ごす機会が増え、水という存在に深い関心を持ったことが作家活動の核心となり、19世紀から続くプラチナプリントに傾倒するようになった。この技法がもつ深い階調表現と永続性は、水や祈りといった、変化しながらも継承されていく普遍的テーマを表現する手法として最適であると捉えている。

代表作『BLUE MIND』シリーズでは水辺に集う人々の姿を通して人間と水との関係性を探求し、続く『流転』では京都・伏見の御香宮神社を中心に、水の循環と祈りの変容を日本の伝統的水文化を通して掘り下げている。これらの作品は「記憶と継承」というテーマを内包し、プラチナプリントの永続性と呼応している。

社会的活動として『On The Water』展を開催し、パラカヌー選手たちを撮影することで、競技の魅力と彼らの挑戦を広く伝える試みにも取り組んだ。

「写真は、時間と記憶を刻む行為である」という信念のもと、自然と祈りの記憶を見つめ直し、形を変えながらも受け継がれるものを、写真という手段で未来へと記録し続けている。

受賞歴

  • 2024年:「第49回2024JPS展」奨励賞
  • 2023年:「第21回JPA公募展(生活と文化)部門」優秀賞
  • 2022年:「全日本モノクロ写真展」入選

展示

  • 2025年:「KG+ Pick Up恵みの循環」便利堂コロタイプギャラリー(京都)
  • 2024年:「Blue Mind」Roonee247 Fine art(東京)
  • 2024年:「KG+ Pick Up Kasanari -over laps- BLUE MIND」知恩寺瑞林院(京都)
  • 2024年:第49回2024JPS展 東京都写真美術館(東京)/ 京都市美術館(京都)
  • 2024年:On the Water-パラカヌーアスリートの素顔 新宿 北村写真機店(東京)
  • 2023年:第21回JPA公募展 東京都美術館(東京)/ 宝塚市立文化芸術センター(兵庫)/ 岡山県天神山文化プラザ(岡山)
  • 2022年:「Letter -私が誰かと繋がる方法-」弘重ギャラリー(東京)
  • 2022年:全日本モノクロ写真展 富士フィルムフォトサロン 東京(東京)