Daisuke Kinoshita

Freelancer Extraordinaire

デザイン会社でグラフィックデザイナーとして活動した後、独立。これまでに日本国内の世界遺産や地域文化を取材し、その土地ごとの伝統や祈りのかたちに触れてきた。この経験が、現在の作品制作のテーマ設定に大きな影響を与えている。独立後は、地域の文化や自然に根ざしたテーマでの取材を続け、日常に潜む“祈り”や“恵み”の象徴を捉える活動に取り組んでいる。 静止画の持つ物語性と永続性に惹かれたことから写真表現へと活動の軸を移し、プラチナプリントの技法を選択。プラチナプリントの豊かな諧調と永続性は、“水”というテーマにふさわしい手法であり、時間の流れや記憶の循環を表現するための基盤として用いている。その繊細なトーンと物理的な永続性は、記憶の普遍性を象徴するだけでなく、作品そのものを後世に残すための理想的な表現方法でもある。 作品制作のテーマは「水」。生命の根源であり、文化や祈りと深く結びつく水の存在を多面的に捉えている。シリーズでは、祈りの情景や人々の営みの中に潜む水の象徴的な姿を追求し、水が持つ記憶や循環の力を作品に宿らせている。水が人々の暮らしに与える影響や、その象徴性を掘り下げ、祈りの場や日常における重要な瞬間を記録している。 さらに、水と祈りを軸に、地域ごとに異なる文化的な表現を写真で記録し、視覚的にその多様性を伝える試みを進めている。今後は、国内外の展覧会を通じて、水が人間と文化に与える普遍的な影響を探求し、その価値を視覚的な物語として広く共有していく予定。作品を通じて、水が持つ普遍的な価値を広く共有し、文化と自然の共生について新たな視点を提供していきたい。